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明けない夜と今。
以下は2021年10月31日にNoteに投稿したものです。

歴史
私は中学二年生まで人間関係をエアプしていた。
居たら喋るけど明確な友達のいない、まるで遊牧民のような学校生活を送っていた。
これは中学校に限った話ではなく、昔から引っ込み思案かつ自己主張の強い性格がもたらした結果であろう。
だからこそ、三年生に進級してからの一年間は私にとってアブノーマルな日々だった。

同じクラスで仲良くなり、彼が所属しているLineグループに入れてもらうことができた。
そこには20人くらい存在し、メンバー全員を把握するのさえ曖昧な所であった。
学校内でも有数の規模を誇るグループに飛び込んだ新参者であったが、なんとなく順応していった。
また、偶然部活が同じ人が数人所属してことも相まって、会話の輪を広げるのにそこまで苦労はしなかった。

ルーツを辿れば小学校まで遡るようなグループが中学校の卒業式で解散するはずもなく、高校進学後もメッセージ数は増加し続けた。
コロナの影響もあり、他人との接点はここのみであった。

ある日、人狼が流行りだした。
そのため、普通の会話とゲームに関する会話が混ざり、会話という会話が難しくなってきた。
私は無言で眺めていたが、そのうち別のグループを作成し、トークを内容ごとに分割することでこの問題を解決していた。
このグループで自浄作用が働いているのを初めて直視し、長寿の理由がわかったような気がした。
しかし、この出来事は後々の伏線だったのかもしれない。

ある日、Discordにサーバーが作成された。
テキストチャンネルは二つあり、そこで通話が日夜行われていた。
いつの日か、メンバーそれぞれに関することや、過去の出来事を記事として文章化する流行が出来た。
いつの日か、特定のゲームに関するサーバーが作成された。
いつの日か、特定の人物を問題の原因とし、制裁を加えるためのサーバーが作成された。

このグループはまるで会社のようにメンバーをリスト化し、陰湿で冷酷な雰囲気に包まれた異様な空間と化した。
組織化が進み、自由奔放としていた過去は土に埋められた。

考察
現在、Lineのグループは活動休止しているものを含めて13組、Discordは4つのサーバーに計12個のテキストチャンネルが存在している。
私の知る限り退会した者はいないものの、事実上所属していないメンバーが大半である。
では、校内最大規模であったこのグループはなぜここまで衰退してしまったのだろうか。

1.規模が大きすぎたため、管理が行き届いていない。
20人以上ものメンバーが所属しているため、いわゆる「友達の友達」状態の人も多く存在していた。
そのため、過去一回とも全員が参加したような集まりは開催されていない。
また、ほとんど話したことのないメンバー同士が同じグループ内に存在するため、関係のないような会話がされることも多く、大多数にとって鬱陶しい文字の羅列でしかなかった可能性がある。

2.グループの過剰な細分化
前述の通り13組のグループと12個のテキストチャンネルが(私の把握する限り)存在し、その全容を理解するのはとても難しい。
そのため大本であるこのグループ自体の存在意義が時間が経つと共に失われたのかもしれない。
本来グループというものは用途によって使い分けるべきであり、わざわざそれをまとめたようなグループの必要性は薄いのである。

3.組織化による官僚的集団の形成
このグループはあくまで友達という曖昧な線の集合体であり、それ以上の厳密な関わりは必要なかったはずだ。
しかし、1や2の結果として出来事や個人データなどを文章として保管しておかなければならなくなった。
組織化が進むにつれ、封建的な関係が生まれ始め、最終的に暗い雰囲気が立ち込める現在の状況に陥ってしまったのだ。

以上三点が私が思う衰退の原因である。

総括
ここまでつらつらと書いてきたが、私にはこの重要な問題を解決する具体的な方法は提案できない。
ただ、この経緯から学べることは、「自由は制限の上に成り立つが、過剰な制限は破滅のみを生み出す」ということだ。
今まで危惧されてきた崩壊の時は今まさに迫っている。
私の見た自浄作用は、いよいよ効力を失ったのだろうか。

追記-2022/07/21-
この記事が作成されてから約9ヶ月。
諸行は無常であり、時間は全てを変形させる。
そして、過去の自浄作用は効力を失い、事実上の崩壊に至った。

1月17日、私をこの集団へ誘った"彼"が最も規模の大きいLINEグループを退会した。
そして、影響力の大きい人物の退会により、過去の栄光を取り戻す可能性が限りなく0に近づいた。

現状、ゲームのイベントや災害発生時のみ会話が交わされるのみで、実際に遊んでいたあの面影はすっかり廃ってしまった。
肝心の会話も単語を2、3並べたようなものであり、グループとしての意義が失われつつある。

しかし私は、この現状に希望を見出している。
なぜなら、前述の通り「組織化による官僚的集団」という状態が事実上の崩壊により、(望まぬ方法であったものの)解決に至ったからである。
また、そのグループの全ての要素間で険悪関係に陥った訳ではない。
むしろ、より細分化され、目的意識が明確になった中で、ただ大元のグループという漠然とした境目が不要になっただけである。

過去を否定してはならない。
我々は、この残骸を手に取りながら、おのおの新たな目的地を探しに現在地を見切ったのだ。

ここまでを感謝とし、ここまでを歴史とする。

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