まえがき
つい最近リスーピアの展示が全く変わってしまった話をした。https://epigonen.com/TesterPotato/article/0032
簡単に言うと、リスーピアという理数系の展示に特化した施設が、SDGsに興味を持たせたり創造心を育ませたりする施設に変わってしまった、という話である。
そこで、なぜ幼少期にSDGsより理数系に触れさせた方がいいのかを考えてみたい。
なぜ幼少期に理系科目なのか
世間一般として数学を筆頭とする理系科目は難しいイメージを持たれている。実際、高校で理系を選択する生徒は約32%である。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/__icsFiles/afieldfile/2019/05/23/1416449-2.3-2_2.pdf
この現状を改善するために、まずは理数系に対するマイナスイメージを払拭する必要がある。
そこで幼少期の体験が重要になってくる。
誰しも子供の頃に聞いた音楽とか、遊んだゲームとか、何かしらそういうものが現在に影響を及ぼしていることはあるだろう。
それと同様に、理数系に対する興味を持たせることで、少なくとも忌避されることは減っていくと思う。
SDGsも重要だけど…
ただ、SDGsそのものを批判したいわけでもない。地球温暖化や食糧問題など即急に解決すべき課題は山積しており、そのために目標を打ち立てることは理解できるし、なるべく達成されるべきだとも思っている。
SDGsは目標であるのに対し、(誤解を恐れずに言えば)理数系はその手段と言えるだろう。
つまり、どれだけ正確な目標を立てたところで、それを達成する手段・土台が無ければ意味を成さない。
また、これらの課題は人類全員の問題であるため関心も向きやすい一方、数学はそこまで重要視されていない気がする。
そのため、幼少期に体験させることである種の洗脳をかけることで、実際に興味を持つ人も増えると思う。
環境や飢餓などの課題はニュースなど関心の湧くトリガーが多く、その一方で物事は複雑化しているため、むしろある程度成長してからの方が受け入れやすいと思う。
使い過ぎは良くない
そもそも、わざわざ理数系を押しのけてまでSDGsをやる理由は、ただのCSR活動のアピールだと思う。1/3しか興味を持たない理数系よりも、半数以上が興味を持っているSDGsについて取り上げる方がより効果的だろう。
https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey09/
だからこそ展示内容を大きく切り替えたのだろうが、このようなムーブメントは危険な面もあるように思う。
もちろん地球規模の課題に企業が取り組むことは重要なことである。
しかし、これによってCMやポスターなどがSDGsの単語で溢れかえり、逆に陳腐なものになってしまうと思う。
言葉だけが先行し、実際の意識や行動が追い付かないようになれば、せっかく打ち立てた目標も異臭を放つゴミ同然だ。
つまり、既存の有益なものを壊してまで、しかもステークホルダーや消費者へのアピールのために、というのはどうにも納得がいかない。