そのため、将来パイロットや管制官を目指す人にとって、必須の資格になります。
試験内容
航空無線通信士の試験は、「無線工学」「法規」「英語」「電気通信術」に分けることができます。電気通信術以外はすべてマークシート式の試験です。
それぞれに合格ラインが定められており、すべての科目に合格しなければなりません。
ただし、一度合格した科目は3年間有効な科目合格制度もあるため、一度に4科目を合格する必要はなく、少しづつ科目合格を積み重ねて合格することもできます。
無線工学
試験時間は90分です。問題数は14問で、合格ラインは70%です。
主に無線に関する技術について問われます。
電気物理、電気回路、半導体、電子回路、通信方式、送信機、受信機、電波航法と航法無線装置、電源、空中線及び給電線、電波伝搬の11章に分けられ、それぞれ1~2問出題されます。
法規
試験時間は90分です。問題数は20問で、合格ラインは70%です。
主に電波法について問われます。
無線局の免許、無線設備、無線従事者、運用、監督・罰則、業務書類、国際法の7章に分けられ、特に運用の章から半分程度出題されます。
英語
英語は英会話と筆記試験に分かれます。・英会話
英会話と言っても、実際に英語を話す必要はなく、リスニングの問題が出題されます。
問題数は7問ですが、3問以上正解しなければ、筆記試験の結果に関わらず英語の科目は強制的に不合格です。
・筆記試験
長文、短文、和文英訳の3種類の問題が出されます。
英検2級程度の知識があれば解けますが、航空の知識を問われる問題も出題されるため、無線工学や法規の勉強も必須です。
電気通信術
電気通信術は受話と送話に分かれます。両方とも欧文通話表(フォネティックコード)を理解しているかを問われる試験です。
試験時間はそれぞれ2分程度で、80点以上で合格です。
欧文通話表とは、通信時にアルファベットを正確に伝えるために作られたものであり、Aをアルファ(Alfa)、Bをブラボー(Bravo)というように置き換えていく発音法です。
・受話
受験会場のスピーカーから流れる音声を聞き、それに対応するアルファベットを用紙に書いていく試験です。
・送話
試験官のいる別室に行き、用紙に書かれたアルファベットに対応するフォネティックコードを発音する試験です。
参考書
最後に、私が受験生の頃に使っていた参考書を紹介します。やさしく学ぶ 航空無線通信士試験
文系でも理解できるように分かりやすく説明されており、無線について全く知らなくても大丈夫なくらいやさしい、合格に必須な一冊。
航空関連の単語帳も載っており、パイロットを目指す人は資格以外にも役に立つと思います。
航空無線通信士 試験問題集 第2集 ―合格精選310題―
ある程度知識を頭に入れた後は、この問題集で勉強すると、より知識が身に付きます。
試験の形式にも慣れることができ、試験直前まで使える、とても実践的な本です。
まとめ
国家資格である航空無線通信士について紹介しました。航空無線通信士は航空業界において需要のある資格です。
ですので、その第一歩として参考書などを読み、試験本番までに実力をつけて頑張りましょう!
・航空運送事業の用に供する航空機を含むすべての航空機に施設する無線設備の操作
・航空交通管制の用に供する航空局を含むすべての航空局や航空地球局の無線設備の操作
・航空機のための無線航行局の操作
日本無線協会open_in_newより